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2012/02/07 火曜日 00:48:02 JST
1. 阪大サイエンスショップ設立の社会背景 PDF プリント メール
2007/03/04 日曜日 02:48:02 JST

「サイエンスショップとは?」でご紹介したように、サイエンスショップは欧米で生まれたものです。 

それでは、いったいなぜ、いま、日本で、大阪大学で、サイエンスショップを設立するのでしょうか。

それには次のような社会的背景があります。

持続可能な社会

21世紀の社会の大きな課題のひとつは、環境と経済、科学技術と社会、人間が調和した持続可能な社会を実現することです。

そのためには、政府や自治体、企業とならんで、NGO/NPOなど市民セクターや、ひとりひとりの市民が大きな役割を果たすことが期待されています。

とくに市民セクターには、自ら現状の社会や政策、企業活動、市民生活の問題点を調査・分析し、改善策を提案していく「アドヴォカシー」の働きと、それを果たすための専門知識やリサーチ能力、情報発信力・表現力が求められています。

また産業経済の中心である企業の活動でも、「企業の社会的責任(CSR)」を担うことが求められるようになり、多くの企業が、その特色を活かしたCSR活動を行っています。今後はさらに、企業と市民、大学、自治体等が協働して社会の問題解決にあたる「産・官・学・(市)民連携」が広がっていく必要があると考えられます。

知識社会

現代社会は「知識社会」ともいわれ、大学など研究者の世界だけでなく、社会のさまざまなところで、豊かな知識の創造力や活用力が求められています。

それは産業経済の発展だけでなく、持続可能な社会を実現するためにも必要なこととなっています。産業界はもちろん、上述のように持続可能な社会に向けて大きな期待がかけられているNGO/NPOなど市民セクターの活動や、ひとりひとりの市民の暮らしの中でも、知識の創造力と活用力が求められているのが今日の社会です。

他方、知識の創造・活用の中心的な担い手である科学者や技術者には、専門的能力だけでなく、他分野や他の職種、一般の市民とコミュニケートする力や研究プロジェクトの企画力・運営力など幅広い力が求められています。そうした豊かな素養をそなえた専門人の活躍が期待される場所は、社会の中でますます広がっています(参考: 科学技術振興調整費 科学技術政策提言 『研究者のノンアカデミック・キャリアパス』)。

必要になっているのは理科系の知識だけではありません。経済学、政治学、法学、社会学など人文・社会科学の知識や考え方も、現代の知識社会ではますます重要になってきています。 

科学技術と現代社会

20世紀後半に爆発的ともいえる発展を遂げた科学技術は、経済発展や利便性の向上、福祉の増大など様々な恩恵をもたらしてきたと同時に、環境問題や生命倫理の問題など社会や自然との間に深刻な摩擦も引き起こしています。

このような現代社会では、一般の人々や人文・社会科学など文科系の専門家が科学技術に関する理解を深めるだけでなく、科学者や技術者の側でも、科学技術にかかわる政治や経済、社会の問題や、人々がどんなことに不安を感じ、何を求めているのかを理解し、人々の声に応えていくことが不可欠になってきています。

ところが現代の日本では、若者の理工系離れが広がり、科学技術の多大な恩恵と影響を受けながらも、科学技術に無関心な人たちが増えています。反対に、科学者や技術者、理工系の学生たちの間でも、科学技術がもたらす社会問題や、専門外の分野の知識や方法論、一般の人々のものの考え方や感じ方について無関心な「専門主義」、あるいは「社会離れ」が根強くあります。

その一方で、各種調査などから、科学技術の政策決定や研究開発の現場に参加し、意見を反映してもらいたいと考える人々が増えてきていることが知られています。また科学者や技術者、科学技術政策の側でも、専門主義を超えて、広く他分野と共同したり、一般の人々との交流を進める動きが広がりつつあります。今後こうした流れはますます大きくなっていくと考えられます。

サイエンスショップ ― 大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの提案

以上のような現代社会で求められているさまざまな必要に、大学の機能である研究と教育の面から応えるために、大阪大学コミュニケーションデザイン・センターが提案するのが「サイエンスショップ」です。

次のページからは、その計画の概要をご紹介します。

最終更新日 ( 2007/04/06 金曜日 16:00:23 JST )
 
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