阪大サイエンスショップの概要阪大サイエンスショップでは、ユーザーからの依頼を受けて研究・調査を行い、成果をユーザーに還元するとともに、社会で広く利用できるよう公開します。 総合大学である大阪大学の特色を活かして、自然科学や工学など理科系だけでなく、社会調査など人文・社会科学系のテーマも扱います。またワークショップの開催・運営の手法などコミュニケーション・デザインの企画も扱います。 調査・研究は、原則として、学生(学部生・大学院生)や博士号取得後のポストドクター(ポスドク)が主体となって行い、成果の質を高めるために教員が監督・指導します。また、個々の研究室や学部・研究科の既存の研究・教育プロジェクトやプログラムに研究を委託することもあります。 調査・研究は、学生や教員だけでなく、ユーザーも一緒に行う「参加型研究」のスタイルで行います。ユーザー自身も主体的に参加することによって、ユーザーの問題意識や意図が、調査・研究の計画や運営、評価によりよく反映されるのを助けるとともに、調査・研究の方法論や専門知識についてユーザーが学びとり、自身のリサーチ力を向上させる機会を提供します。 サイエンスショップのユーザーには、非営利で公共的な課題に取り組むNGO/NPO、住民団体、自治体、小中高の教育関係者、消費生活アドバイザーなどのほか、これらのグループと協働して、社会に貢献する公共的な活動や事業を行おうとする企業や事業者団体も含まれます。 阪大サイエンスショップの運営体制大阪大学コミュニケーションデザイン・センターでは、サイエンスショップを、大学と、NPOなど市民セクターの関係者や有志の個人、そしてこうした大学の社会貢献と市民の公共的活動、それを通じた人材育成を、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として応援してくださる企業群(コンソーシアム)との「産学民連携」で運営していく計画です。 運営にあたっては、運営規則や倫理規則を定めるほか、資金源や資金の使途を公開し、透明性の確保の努めます。 また大阪大学教員を中心とした運営委員会を設け、サイエンスショップの運営やそれが主宰する個々の研究調査プロジェクトの監督・評価等を行うなど、資金源や特定のステークホルダー(利害関係者)からの独立性の確保にも努めます。 阪大サイエンスショップの目的と狙い ― 社学連携・人材育成・社会ニーズ主導型研究の推進阪大サイエンスショップには「社学連携」(地域・市民社会の専門的サポート)、「人材育成」、「社会ニーズ主導型研究の促進」の三つの目的があります。 社学連携社学連携では、ユーザーに対して、専門知識が必要な問題の解決や、ユーザーの社会活動や情報発信に必要な科学的データなど専門的な裏づけ、情報収集や分析、情報発信の手法やスキルのサポートを提供します。また、地域社会の問題解決に向けた市民と自治体、企業などの協働のための場作りを支援することも、社学連携の重要な働きです。 わが国の市民セクターは、1995年の阪神淡路大震災をきっかけとして、数のうえでも活動のうえでも大きな広がりを見せています。それよりずっと昔から、着実な活動を続けてきているところも数多くあります。しかし、研究・調査など専門的な力量(専門性)や、それに基づくアドヴォカシー機能、これらを支える十分な人材や財政力を備えたところは、まだまだ少ないのが現状です。そのため、十分な成果があげられず、余計に他の市民からの支持やお金、人材が集まらなくなるという悪循環におちいっているといっていいでしょう。大学や大学院の学生たちにとっても、NGOやNPOは、魅力的な職場にはなっていません。サイエンスショップの活動が、少しでもこうした現状を打開し、日本の市民社会が力強く発展することに貢献できればと考えています。 人材育成人材育成では、学生に対して、将来、企業や大学、政府・自治体、市民セクターなど社会の各界で専門人として活躍するのに必要な応用力や問題解決力、幅広い学術的および社会的な視野とコミュニケーション能力、研究・調査プロジェクトの企画・運営力を、実践的に身につける場を提供します。 そうした経験を積んだ学生たちが、将来、産・官・学・市民の各セクターで、専門家として、市民として、活躍することが期待されます。 社会ニーズ主導型研究の促進社会ニーズ主導型研究の促進では、地域社会や市民が求めている非営利的で公共的な研究のニーズを、大学の研究課題に反映させ、大学が持つ研究シーズを、産学連携(大学と産業界の連携)とは違ったかたちで社会に役立て、研究を活性化させることを目指します。 社会のそうしたニーズに応えていくことは、今日の知識社会、持続可能な社会において大学が果たすべき重要な役割の一つだと考えています。
これからの社会に必要な<リサーチリテラシー>のパワーアップ「リサーチリテラシー」とは、問題の発見、理解、解明・解決、知識や情報の収集、分析、表現・発信、プロジェクトの企画・運営まで含めた総合的な素養(リテラシー)のことです。 これからの社会では、産官学の専門人はもちろんのこと、NPO/NGOなど市民セクターやひとりひとりの市民にも求められるリテラシーだと考えられます。 サイエンスショップには、このようなリサーチリテラシーを、社学連携と人材育成を通じて、広く市民のリテラシーとして広め、パワーアップしていく狙いもあります。 こんな人たちのためにサイエンスショップがあります- 「近くの川の水質を調査したい」住民グループ
- 「情報発信のためのパンフレットやホームページのデザインを改善したい」環境NPO
- 「バリアフリーに関する市民の意識調査とその統計解析をしたい」福祉NPO
- 「せっけん利用と環境に関する消費者向けパンフレットのための科学的データが欲しい」消費生活アドバイザー
- 「食品のリスクコミュニケーションの効果的な手法を知りたい」自治体関係者
- 「消費者団体と共同で、効果的な衣料品のリサイクルと消費者への周知の仕組みを作りたい」企業や事業者団体
- 「学校での環境教育のための副教材を作りたい」高校教員
- 「将来、企業のCSR活動やNPO/NGO活動に携わりたい」大学生
- 「コミュニケーション力や企画力・運営力を身につけて就職に活かしたい」修士課程の大学院生
- 「実際の社会問題に自分の専門を活かしたい」博士課程の大学院生
- 「科学技術やリスク問題のコミュニケーターになりたい」ポスドク
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